ドクターS・スプリームクラス登場の今こそ知りたい!新幹線を支える土木の工夫
作成者:
株式会社クリエイティブ・ラボ
更新日:2026-10-28 10:16
カテゴリー:
クリコラ 〜 CREATIVE LAND 建設コラム 〜
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株式会社クリエイティブ・ラボ
更新日:2026-10-28 10:16
ドクターS・スプリームクラス登場の今こそ知りたい!新幹線を支える土木の工夫
新幹線の線路には多くの土木の工夫が隠されている
2026年10月26日(月)東海道・山陽新幹線で架線やレールの点検を担ってきた「ドクターイエロー」の後継となる「ドクターS」が乗客を乗せて営業走行を始めました。
鉄道ファンをはじめ、一般の人からも愛称「ドクターイエロー」として親しまれてきた「新幹線電気軌道総合試験車」ですが、乗客を乗せない検測専用車両で、走行しながら線路や架線、信号関係の状態を確認していましたが、後継機となる「ドクターS」は乗客を乗せる営業列車で、同様の検査を行います。乗客を乗せての営業自体は26日からスタートしましたが、実際の点検は2027年1月から行います。
また、10月1日からはグリーン席より上級クラスの「Supreme Class」(スプリームクラス)のサービスが開始されました。
そんな話題の新幹線の線路には、安全で快適な走行を支える土木の工夫が多く隠されています。
本記事ではその工夫についていくつか紹介します。
鉄道ファンをはじめ、一般の人からも愛称「ドクターイエロー」として親しまれてきた「新幹線電気軌道総合試験車」ですが、乗客を乗せない検測専用車両で、走行しながら線路や架線、信号関係の状態を確認していましたが、後継機となる「ドクターS」は乗客を乗せる営業列車で、同様の検査を行います。乗客を乗せての営業自体は26日からスタートしましたが、実際の点検は2027年1月から行います。
また、10月1日からはグリーン席より上級クラスの「Supreme Class」(スプリームクラス)のサービスが開始されました。
そんな話題の新幹線の線路には、安全で快適な走行を支える土木の工夫が多く隠されています。
本記事ではその工夫についていくつか紹介します。
新幹線の線路には、なぜ砂利がないところがあるの?
「線路の下は砂利」と思っていませんか。実は新幹線には、砂利の代わりにコンクリートの板(スラブ)を使う「スラブ軌道」があります。山陽新幹線以降の新幹線で多く使われています。(砂利の線路のことを一般的に「バラスト軌道」と言います。)
理由は、砂利が動くからです。砂利の線路は、列車の重さを支え、振動を逃がす仕組みですが、列車が繰り返し走行することで、枕木が沈み、レールの位置がずれ、砂利の交換やメンテナンスを定期的に行わないといけません。建設時のコストは抑えられる一方、メンテナンスが大変であるというデメリットを抱えています。
一方スラブ軌道は保守管理が少なく、耐久性にも優れるため、メンテナンスにおいては砂利の線路よりも優れています。一般的に、建設時のコストが砂利軌道よりもかかる場合が多いという部分はデメリットになります。
理由は、砂利が動くからです。砂利の線路は、列車の重さを支え、振動を逃がす仕組みですが、列車が繰り返し走行することで、枕木が沈み、レールの位置がずれ、砂利の交換やメンテナンスを定期的に行わないといけません。建設時のコストは抑えられる一方、メンテナンスが大変であるというデメリットを抱えています。
一方スラブ軌道は保守管理が少なく、耐久性にも優れるため、メンテナンスにおいては砂利の線路よりも優れています。一般的に、建設時のコストが砂利軌道よりもかかる場合が多いという部分はデメリットになります。
「固い板」なのに、下にクッション?
スラブ軌道の場合、枕木と土台のコンクリートの間には「CAモルタル」が詰められています。「CAモルタル」とはセメントとアスファルトを混ぜた材料で、板の下を支える層です。
CAモルタルは、セメントの「硬さ(剛性)」と、アスファルトの「しなやかさ(粘弾性)」を併せ持つ材料で、列車の荷重や振動を吸収する役割を担っています。
CAモルタルは、セメントの「硬さ(剛性)」と、アスファルトの「しなやかさ(粘弾性)」を併せ持つ材料で、列車の荷重や振動を吸収する役割を担っています。
速いと、トンネルの出口で「ドン」と鳴る?
高速列車がトンネルに入ると、入口で空気が押されて、圧縮された波ができます。波は出口まで進み、ごく一部がパルス状の圧力波として外へ出ます。これが「トンネル微気圧波」で、大きいと発破のような「ドン!」という音を出すことがあります。
音の大きさは列車の速度が速くなるほど大きくなるので、高速で走る新幹線の場合、かなり大きな音になってしまい、快適な列車の旅の妨げになってしまいます。
音の大きさは列車の速度が速くなるほど大きくなるので、高速で走る新幹線の場合、かなり大きな音になってしまい、快適な列車の旅の妨げになってしまいます。
対策はトンネルにつける「フード」
この音への対策として、トンネルの入口に付ける「トンネル緩衝工(かんしょうこう)」というフードが採用されています。
列車が段階的にトンネルへ入るようにして、圧力の上がり方をゆるやかにします。
安全な走行だけでなく、周囲の環境や乗客の快適性にも配慮して建設しているのです。
列車が段階的にトンネルへ入るようにして、圧力の上がり方をゆるやかにします。
安全な走行だけでなく、周囲の環境や乗客の快適性にも配慮して建設しているのです。
誰が支えているの?
研究は鉄道総研などが担い、模型実験装置も使われます。設計の基準は、鉄道・運輸機構などが定めています。
そうした設計の基準をもとに、建設コンサルタントが設計を行い、建設会社が施工を行っています。
また、線路で使用される枕木や高架橋の部材などを、あらかじめ工場で製作するメーカーもあります。
メンテナンスにおいては、記事冒頭で紹介した点検車両が線路の安全性を検査し、整備を行なっています。
次に新幹線に乗ったら、多くの人が支えていることや、足元には「固さ」と「クッション」の両方があること、トンネルの入口にフードがあることを思い出してみてください。
様々な人の多くの技術が、安心・安全で快適な新幹線の旅を支えているのです。
そうした設計の基準をもとに、建設コンサルタントが設計を行い、建設会社が施工を行っています。
また、線路で使用される枕木や高架橋の部材などを、あらかじめ工場で製作するメーカーもあります。
メンテナンスにおいては、記事冒頭で紹介した点検車両が線路の安全性を検査し、整備を行なっています。
次に新幹線に乗ったら、多くの人が支えていることや、足元には「固さ」と「クッション」の両方があること、トンネルの入口にフードがあることを思い出してみてください。
様々な人の多くの技術が、安心・安全で快適な新幹線の旅を支えているのです。
関連するCREATIVE LANDプレミアム協賛企業
ここでは、関連する企業として鉄道関係の建設コンサルタント会社と枕木をはじめとした、コンクリートの部材を製作しているメーカーを紹介します。
<鉄道関係の建設コンサルタント会社>
■株式会社トーニチコンサルタント
https://creative-land.jp/company-detail/401
<コンクリート部材製作メーカー>
■オリエンタル白石株式会社※
https://creative-land.jp/company-detail/2
■ジオスター株式会社
https://creative-land.jp/company-detail/423
■東栄コンクリート工業株式会社
https://creative-land.jp/company-detail/316
■東日本コンクリート株式会社※
https://creative-land.jp/company-detail/397
※主な事業は橋梁の施工ですが、工場でコンクリート製品の製作を行なっています
<鉄道関係の建設コンサルタント会社>
■株式会社トーニチコンサルタント
https://creative-land.jp/company-detail/401
<コンクリート部材製作メーカー>
■オリエンタル白石株式会社※
https://creative-land.jp/company-detail/2
■ジオスター株式会社
https://creative-land.jp/company-detail/423
■東栄コンクリート工業株式会社
https://creative-land.jp/company-detail/316
■東日本コンクリート株式会社※
https://creative-land.jp/company-detail/397
※主な事業は橋梁の施工ですが、工場でコンクリート製品の製作を行なっています
参考資料・出典
■YAHOO!ニュース|ドクターイエローの後継「ドクターS」デビュー 東海道・山陽新幹線
https://news.yahoo.co.jp/articles/ef67dad0c7a027078004187e056339aca6b80e3d
■毎日新聞|東海道新幹線に個室復活「Supreme Class」東京─博多9万円も
https://mainichi.jp/premier/business/articles/20261016/biz/00m/020/007000c
■JR東日本 技報Tech-22-55-60(CAモルタルの劣化と検査)
https://www.jreast.co.jp/development/tech/pdf_25/Tech-25-55-60.pdf
■JR東日本 技報Tech-22-57-62(トンネル緩衝工)
https://www.jreast.co.jp/development/tech/pdf_22/Tech-22-57-62.pdf
https://news.yahoo.co.jp/articles/ef67dad0c7a027078004187e056339aca6b80e3d
■毎日新聞|東海道新幹線に個室復活「Supreme Class」東京─博多9万円も
https://mainichi.jp/premier/business/articles/20261016/biz/00m/020/007000c
■JR東日本 技報Tech-22-55-60(CAモルタルの劣化と検査)
https://www.jreast.co.jp/development/tech/pdf_25/Tech-25-55-60.pdf
■JR東日本 技報Tech-22-57-62(トンネル緩衝工)
https://www.jreast.co.jp/development/tech/pdf_22/Tech-22-57-62.pdf
執筆者情報
■氏 名:ハヤシ ヒビキ
■会 社 名:株式会社クリエイティブ・ラボ
■所属・役職:デザイナー
■企業ページ:https://creative-land.jp/company-detail/3
■コラム公開日:2026年10月28日(水)
■会 社 名:株式会社クリエイティブ・ラボ
■所属・役職:デザイナー
■企業ページ:https://creative-land.jp/company-detail/3
■コラム公開日:2026年10月28日(水)