台風でも屋根が飛ばされないのはなぜ?耐風構造の仕組みと「負圧」について解説
作成者:
株式会社クリエイティブ・ラボ
更新日:2026-11-02 12:04
カテゴリー:
クリコラ 〜 CREATIVE LAND 建設コラム 〜
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株式会社クリエイティブ・ラボ
更新日:2026-11-02 12:04
台風でも屋根が飛ばされないのはなぜ?耐風構造の仕組みと「負圧」について解説
台風の国日本!屋根はなぜ飛ばされない?
2026年は台風の発生数が例年と比べてかなり多くなっています。
10月28日までの台風発生数は31個であり、年間の平年値である25.1個をすでに上回る水準となっています。
特に8月は10個の台風が発生し、月の平年値5.7個を大きく上回りました。
このことから、日本は世界でも有数の台風の国であることがお判りいただけるかと思います。
猛烈な台風が近づいてくると、外では街路樹がなぎ倒され、看板が吹き飛ぶような凄まじい風が吹き荒れます。そんなとき、「うちの家の屋根、風で丸ごと飛ばされたりしないかな…」と不安になったことはありませんか?
実は、屋根が飛ばされないのは、「重いから」ではありません。
答えは、屋根から基礎までがチェーンのように繋がれていて、家全体が地面へとしっかり固定されているからです。
10月28日までの台風発生数は31個であり、年間の平年値である25.1個をすでに上回る水準となっています。
特に8月は10個の台風が発生し、月の平年値5.7個を大きく上回りました。
このことから、日本は世界でも有数の台風の国であることがお判りいただけるかと思います。
猛烈な台風が近づいてくると、外では街路樹がなぎ倒され、看板が吹き飛ぶような凄まじい風が吹き荒れます。そんなとき、「うちの家の屋根、風で丸ごと飛ばされたりしないかな…」と不安になったことはありませんか?
実は、屋根が飛ばされないのは、「重いから」ではありません。
答えは、屋根から基礎までがチェーンのように繋がれていて、家全体が地面へとしっかり固定されているからです。
風は家を「押す」のではなく「引っ張り上げる」!?
多くの人は「強風で家が倒れる=横から強く押されるから」と思いがちです。
しかし、台風のときに家を襲う一番恐ろしい力は、実は「上に向かって引っ張り上げる力」です。
飛行機の翼をイメージしてみてください。翼の上に強い風が吹くと、上がろうとする力(揚力)が生まれますよね。
これと同じ現象が家の屋根でも起きています。風が家の上を吹き抜けるとき、屋根の表面には「負圧(ふあつ)」という、上に向かって強く吸い上げる力が発生します。
・正圧(押す力): 風が直接ぶつかる面(風上側)に発生します。屋根材を内側に押し込もうとする力です。
・負圧(吸い上げる力): 風が屋根のてっぺん(棟)や軒先を通り過ぎる際に発生する、屋根材を外側へ引き剥がそう、持ち上げようとする力(揚力)です。飛行機の翼が浮き上がるのと同じ原理で、屋根が飛ばされる被害の最大の原因となります。
台風で屋根が剥がれたり飛んでいったりするのは、風に押されたからではなく、上から強い力で吸い上げられているからなのです。 もし、昔ながらの家のように屋根が「載っているだけ」だったら、ひとたまりもなく吹き飛んでしまいます。
しかし、台風のときに家を襲う一番恐ろしい力は、実は「上に向かって引っ張り上げる力」です。
飛行機の翼をイメージしてみてください。翼の上に強い風が吹くと、上がろうとする力(揚力)が生まれますよね。
これと同じ現象が家の屋根でも起きています。風が家の上を吹き抜けるとき、屋根の表面には「負圧(ふあつ)」という、上に向かって強く吸い上げる力が発生します。
・正圧(押す力): 風が直接ぶつかる面(風上側)に発生します。屋根材を内側に押し込もうとする力です。
・負圧(吸い上げる力): 風が屋根のてっぺん(棟)や軒先を通り過ぎる際に発生する、屋根材を外側へ引き剥がそう、持ち上げようとする力(揚力)です。飛行機の翼が浮き上がるのと同じ原理で、屋根が飛ばされる被害の最大の原因となります。
台風で屋根が剥がれたり飛んでいったりするのは、風に押されたからではなく、上から強い力で吸い上げられているからなのです。 もし、昔ながらの家のように屋根が「載っているだけ」だったら、ひとたまりもなく吹き飛んでしまいます。
屋根から地面までを繋ぐ「耐風金物」の凄さ
では、なぜ現代の家はこの恐ろしい「吸い上げ力」に耐えられるのでしょうか?
ここで活躍しているのが、壁の内部や屋根裏に隠れている「耐風金物(たいふうかなもの)」と呼ばれる小さな金属パーツたちです。
①屋根を繋ぎ止める「ハリケーンタイ」
屋根の垂木(たるき:屋根の骨組み)と柱を固く接合する金属プレートです。上へ引っ張られる負圧に対して、屋根が剥がれないようしっかり噛み合います。
②家を丸ごと基礎に固定する「ホールダウン金物」
家全体が上に持ち上がろうとする力に対抗するため、建物の柱と鉄筋コンクリートの基礎(地面に埋まっている部分)をダイレクトにボルトで連結します。
つまり現代の住宅は、「屋根 ➔ 柱 ➔ 壁 ➔ 基礎 ➔ 地面」というルートで、目に見えない金属のチェーンによって一体化されているのです。
ここで活躍しているのが、壁の内部や屋根裏に隠れている「耐風金物(たいふうかなもの)」と呼ばれる小さな金属パーツたちです。
①屋根を繋ぎ止める「ハリケーンタイ」
屋根の垂木(たるき:屋根の骨組み)と柱を固く接合する金属プレートです。上へ引っ張られる負圧に対して、屋根が剥がれないようしっかり噛み合います。
②家を丸ごと基礎に固定する「ホールダウン金物」
家全体が上に持ち上がろうとする力に対抗するため、建物の柱と鉄筋コンクリートの基礎(地面に埋まっている部分)をダイレクトにボルトで連結します。
つまり現代の住宅は、「屋根 ➔ 柱 ➔ 壁 ➔ 基礎 ➔ 地面」というルートで、目に見えない金属のチェーンによって一体化されているのです。
■終わりに
台風が来るたびに私たちが家の中で無事に過ごせる背景には、建築基準法などの基準に基づいて細かく風圧力を計算する「構造設計者」や、見えなくなる壁の中に寸分の狂いもなく金物を取り付ける「大工・施工者」の存在があります。
家が建ってしまうと、これらの金物はクロス(壁紙)の裏に隠れて二度と見えなくなります。しかし、猛烈な台風がやってくるその瞬間のために、大工さんや現場の職人たちは見えない部分の施工に一切の妥協をせず、家を「地球と一体化」させているのです。
次に台風が近づいてきたときは、ぜひ壁の向こうで家を必死に繋ぎ止めている「小さな金物たち」と、それを取り付けた現場の職人たちの仕事に思いを馳せてみてください。
家が建ってしまうと、これらの金物はクロス(壁紙)の裏に隠れて二度と見えなくなります。しかし、猛烈な台風がやってくるその瞬間のために、大工さんや現場の職人たちは見えない部分の施工に一切の妥協をせず、家を「地球と一体化」させているのです。
次に台風が近づいてきたときは、ぜひ壁の向こうで家を必死に繋ぎ止めている「小さな金物たち」と、それを取り付けた現場の職人たちの仕事に思いを馳せてみてください。
参考文献
【参考文献】
気象庁「台風の発生数」
https://www.data.jma.go.jp/typhoon/statistics/generation/generation.html
国土交通省「令和元年房総半島台風を踏まえた建築物の耐風対策について」
https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001410785.pdf
株式会社KINOIBA「台風に強い家の構造設計」
https://kinoiba.jp/typhoon-resistant-structural-design/?utm_source=gemini
山根木材「くらしのコラム:住宅の耐風性と構造」
https://www.yamane-m.co.jp/kurasu/5911/
気象庁「台風の発生数」
https://www.data.jma.go.jp/typhoon/statistics/generation/generation.html
国土交通省「令和元年房総半島台風を踏まえた建築物の耐風対策について」
https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001410785.pdf
株式会社KINOIBA「台風に強い家の構造設計」
https://kinoiba.jp/typhoon-resistant-structural-design/?utm_source=gemini
山根木材「くらしのコラム:住宅の耐風性と構造」
https://www.yamane-m.co.jp/kurasu/5911/
執筆者情報
■氏 名:佐藤 諒太
■会 社 名:株式会社クリエイティブ・ラボ
■所属・役職:事務担当
■企業ページ:https://creative-land.jp/company-detail/3
■コラム公開日 2026/10/31
■会 社 名:株式会社クリエイティブ・ラボ
■所属・役職:事務担当
■企業ページ:https://creative-land.jp/company-detail/3
■コラム公開日 2026/10/31