台風25号で堤防決壊の印旛沼、26号は大丈夫? 水位と復旧工事の現在
作成者:
株式会社クリエイティブ・ラボ
更新日:2026-09-30 10:08
カテゴリー:
クリコラ 〜 CREATIVE LAND 建設コラム 〜
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更新日:2026-09-30 10:08
台風25号で堤防決壊の印旛沼、26号は大丈夫? 水位と復旧工事の現在
この記事を一言でまとめると?
- 2026年9月29日17時の印旛沼の平均水位はY.P.+2.02mで、通常の目安より28cm低い水位です。
- 排水量の累計は沼約6.8杯分。雨の間は水が流入し続けるため、排水の累計だけで次の雨への安全性を判断することはできません。
- 堤防の応急復旧は進行中です。次の台風26号に向けて、水位と堤防の復旧状況の両方に注目しましょう。
- 排水量の累計は沼約6.8杯分。雨の間は水が流入し続けるため、排水の累計だけで次の雨への安全性を判断することはできません。
- 堤防の応急復旧は進行中です。次の台風26号に向けて、水位と堤防の復旧状況の両方に注目しましょう。
台風25号で堤防決壊の印旛沼、26号は大丈夫? 水位と復旧工事
台風25号で印旛沼の堤防が決壊しました。そこへ台風26号の話を聞くと、「また水があふれないだろうか」と心配になりますよね。
現在、沼の水位は下がっています。9月29日17時の沼平均水位はY.P.+2.02m。ふだんの目安となるY.P.+2.30mより28cm低い水位です。[7]※1
では、これでひと安心なのでしょうか。決壊した堤防の応急復旧は、まだ続いています。[2] 沼の水がどこまで下がったのか、破れた堤防はどこまで塞がったのか。二つの様子を見ていきましょう。
現在、沼の水位は下がっています。9月29日17時の沼平均水位はY.P.+2.02m。ふだんの目安となるY.P.+2.30mより28cm低い水位です。[7]※1
では、これでひと安心なのでしょうか。決壊した堤防の応急復旧は、まだ続いています。[2] 沼の水がどこまで下がったのか、破れた堤防はどこまで塞がったのか。二つの様子を見ていきましょう。
こんなに水を抜いていたのに、なぜ水位が上がった?
水資源機構などは、25号の雨が降る前から沼の水を抜いていました。雨が降り始めた9月20日の沼平均水位はY.P.+2.03m。ふだんより27cm低い状態です。それでも22日午前4時にはY.P.+4.93mまで上がり、水資源機構が施設の管理を始めた1968年以降、沼平均水位として最も高い値を記録しました。[1][3][8]
排水の規模を見てみると、9月17日から28日15時までに沼から排水した量は約1億3500万m³。ふだん沼にある水の約6.8杯分にあたります。[1]※2
「そんなに抜けるなら、なぜ水位が上がるの?」と思うかもしれません。雨の日の印旛沼は、蛇口を開けたまま水を抜いているお風呂に近い状態です。25号では、沼に水が集まる地域に平均394mmの雨が降りました。[3] 沼の上に降った雨に加えて、周辺の川や水路からも水が集まってきます。一方、沼の水は排水機場から利根川側と、花見川を経た東京湾側へ送り出されます。[1] 水を抜いている間も、新しい水が入ってくるのです。
この6.8杯分は、決壊後も含む約12日間に外へ出した水の合計です。[1] 25号では、雨の前に水位を下げて備えていても、流れ込む水があまりにも多く、水位が大きく上がりました。[1][3]
排水の規模を見てみると、9月17日から28日15時までに沼から排水した量は約1億3500万m³。ふだん沼にある水の約6.8杯分にあたります。[1]※2
「そんなに抜けるなら、なぜ水位が上がるの?」と思うかもしれません。雨の日の印旛沼は、蛇口を開けたまま水を抜いているお風呂に近い状態です。25号では、沼に水が集まる地域に平均394mmの雨が降りました。[3] 沼の上に降った雨に加えて、周辺の川や水路からも水が集まってきます。一方、沼の水は排水機場から利根川側と、花見川を経た東京湾側へ送り出されます。[1] 水を抜いている間も、新しい水が入ってくるのです。
この6.8杯分は、決壊後も含む約12日間に外へ出した水の合計です。[1] 25号では、雨の前に水位を下げて備えていても、流れ込む水があまりにも多く、水位が大きく上がりました。[1][3]
水位が下がったら、次は堤防の「切れ目」を塞ぐ
9月29日17時も、沼平均水位はふだんの目安より低い状態です。[7] ただ、次に水位が上がったときまでに堤防が直っていなければ、また被害が広がるおそれがあります。そこで国・千葉県・水資源機構は、決壊した3地区4か所の応急復旧を進めています。[2]
成田市の船形干拓では、堤防が約100mにわたって決壊しました。[4] これほど大きな切れ目を、どうやって塞ぐのでしょうか。
工事は、土砂や機械を現場へ運ぶための道づくりから始まります。国は9月25日に工事へ着手し、その道を整備しました。28日には、決壊した場所へ石を投入する様子が千葉県から公表されました。[4][5][6] まず土砂で大まかに塞ぎ、その後、鋼製の板で二重に締め切る計画です。[4]
成田市の船形干拓では、堤防が約100mにわたって決壊しました。[4] これほど大きな切れ目を、どうやって塞ぐのでしょうか。
工事は、土砂や機械を現場へ運ぶための道づくりから始まります。国は9月25日に工事へ着手し、その道を整備しました。28日には、決壊した場所へ石を投入する様子が千葉県から公表されました。[4][5][6] まず土砂で大まかに塞ぎ、その後、鋼製の板で二重に締め切る計画です。[4]
台風26号までに間に合う?
国土交通省は26号の接近を考慮し、緊急対策を約1週間で終えることを目指すと発表しました。[2] 9月29日17時の水位はふだんの目安を下回り、堤防の復旧工事も進んでいます。[6][7] 気象庁は被災した成田市、印西市、栄町で、大雨に関する警報等の基準を暫定的に引き下げました。[9]
備えは進んでいますが、「もう大丈夫」と言い切れる段階ではありません。次の雨がどこに、どれくらい集中して降るのか。雨が強まるまでに、破れた場所をどこまで塞げるのかによっても状況は変わります。
次にニュースを見るときは、気象庁の最新の台風・大雨情報とともに、「沼の水位はどうか」「堤防の復旧はどこまで進んだか」にも目を向けてみてください。[10]
備えは進んでいますが、「もう大丈夫」と言い切れる段階ではありません。次の雨がどこに、どれくらい集中して降るのか。雨が強まるまでに、破れた場所をどこまで塞げるのかによっても状況は変わります。
次にニュースを見るときは、気象庁の最新の台風・大雨情報とともに、「沼の水位はどうか」「堤防の復旧はどこまで進んだか」にも目を向けてみてください。[10]
## 注釈
※1 Y.P.は水面の高さを示す基準で、水深ではありません。ゼロ点は東京湾平均海面より84cm低い位置にあります。[11]
※2 約1億3500万m³の累計排水量[1]を、印旛沼の容積1970万m³[12]で割った概数です。約12日間に外へ出した合計で、一度に沼にたまった量ではありません。
※2 約1億3500万m³の累計排水量[1]を、印旛沼の容積1970万m³[12]で割った概数です。約12日間に外へ出した合計で、一度に沼にたまった量ではありません。
参考資料・ニュース
[1] 国土交通省関東地方整備局「印旛沼の水位を可能な限り低下 ~チーム印旛沼~」(2026年9月28日15時時点)
https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000959447.pdf
[2] 国土交通省「チーム印旛沼による緊急排水等オペレーションについて」(2026年9月25日)
https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo06_hh_000362.html
[3] 水資源機構「台風25号による印旛沼開発施設の被災について」(2026年9月22日)
https://www.water.go.jp/honsya/honsya/kisya/pdf/2026/09/20260922_chiba.pdf
[4] 国土交通省関東地方整備局「印旛沼の堤防の緊急復旧に着手します」(2026年9月24日)
https://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/kyoku_s_kisha_00581.pdf
[5] 国土交通省関東地方整備局「印旛沼堤防の緊急復旧の報道機関向け説明会を開催します」(2026年9月27日)
https://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/kyoku_s_kisha_00586.pdf
[6] 千葉県「印旛沼の被災箇所の対応状況について」(2026年9月28日更新)
https://www.pref.chiba.lg.jp/kendosei/kendo/r8-taihuu25-inbanuma.html
[7] 水資源機構公式X「印旛沼の平均水位」(2026年9月29日17時時点)
https://x.com/jwa_PR
[8] 水資源機構「印旛沼開発 施設諸元」(管理開始:1968年4月20日)
https://www.water.go.jp/honsya/honsya/torikumi/kankyo/suisitu/pdf/2022/2/2022_12_inbanuma.pdf
[9] 気象庁「令和8年台風第25号の影響を考慮した大雨に関する警報等の暫定的な運用について」(2026年9月29日)
https://www.jma.go.jp/jma/press/2609/29a/heavyrain_zantei_20260929_1.html
[10] 気象庁「台風情報」(台風第26号の最新の進路・予報。2026年9月30日参照)
https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#contents=typhoon
[11] 水資源機構千葉用水総合管理所「千葉用水総合事業 Q&A」(Y.P.と管理水位)
https://www.water.go.jp/kanto/chiba/frame/q_a/jun_q.html
[12] 印旛沼水質保全協議会「印旛沼の概要」(令和2年度の容積)
https://www.insuikyo.jp/environment/gaiyou/
https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000959447.pdf
[2] 国土交通省「チーム印旛沼による緊急排水等オペレーションについて」(2026年9月25日)
https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo06_hh_000362.html
[3] 水資源機構「台風25号による印旛沼開発施設の被災について」(2026年9月22日)
https://www.water.go.jp/honsya/honsya/kisya/pdf/2026/09/20260922_chiba.pdf
[4] 国土交通省関東地方整備局「印旛沼の堤防の緊急復旧に着手します」(2026年9月24日)
https://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/kyoku_s_kisha_00581.pdf
[5] 国土交通省関東地方整備局「印旛沼堤防の緊急復旧の報道機関向け説明会を開催します」(2026年9月27日)
https://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/kyoku_s_kisha_00586.pdf
[6] 千葉県「印旛沼の被災箇所の対応状況について」(2026年9月28日更新)
https://www.pref.chiba.lg.jp/kendosei/kendo/r8-taihuu25-inbanuma.html
[7] 水資源機構公式X「印旛沼の平均水位」(2026年9月29日17時時点)
https://x.com/jwa_PR
[8] 水資源機構「印旛沼開発 施設諸元」(管理開始:1968年4月20日)
https://www.water.go.jp/honsya/honsya/torikumi/kankyo/suisitu/pdf/2022/2/2022_12_inbanuma.pdf
[9] 気象庁「令和8年台風第25号の影響を考慮した大雨に関する警報等の暫定的な運用について」(2026年9月29日)
https://www.jma.go.jp/jma/press/2609/29a/heavyrain_zantei_20260929_1.html
[10] 気象庁「台風情報」(台風第26号の最新の進路・予報。2026年9月30日参照)
https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#contents=typhoon
[11] 水資源機構千葉用水総合管理所「千葉用水総合事業 Q&A」(Y.P.と管理水位)
https://www.water.go.jp/kanto/chiba/frame/q_a/jun_q.html
[12] 印旛沼水質保全協議会「印旛沼の概要」(令和2年度の容積)
https://www.insuikyo.jp/environment/gaiyou/
筆者情報
■氏 名:亀井 聡
■会 社 名:株式会社クリエイティブ・ラボ
■所属・役職:ディレクター
■企業ページ:https://creative-land.jp/company-detail/3
■コラム公開日:2026/09/30
■コラム更新日:2026/09/30
■会 社 名:株式会社クリエイティブ・ラボ
■所属・役職:ディレクター
■企業ページ:https://creative-land.jp/company-detail/3
■コラム公開日:2026/09/30
■コラム更新日:2026/09/30